はじめに
球が膨張したり収縮したりする運動を考えるとき、私たちは無意識のうちに「半径」を変化させてしまう。
しかし、よく考えてみると、球には半径以外にも基準となる量が存在する。
・半径
・表面積
・体積
もし世界に「完全運動」と呼べるような自然な循環があるとしたら、いったい何を基準に変化しているのだろうか。
この記事では、その疑問を確かめるために、Three.jsを使って三種類の球のアニメーションを作成し、比較してみた。
球には三つの基準がある
球は半径 (r) が決まれば、その大きさは一意に決まる。
今回比較する三つの基準は、すべて球に関する量である。
半径
$$
r
$$
球の表面積
$$
S = 4\pi r^2
$$
球の体積
$$
V = \frac{4}{3}\pi r^3
$$
ここで興味深いのは、半径に掛かる指数である。
| 基準 | 半径との関係 |
|---|---|
| 半径 | (r^1) |
| 球の表面積 | (r^2) |
| 球の体積 | (r^3) |
つまり、
・半径は一次元の量
・球の表面積は二次元の量
・球の体積は三次元の量
として表される。
これは、それぞれが球の長さ・境界・内部という異なる性質を表しているとも考えられる。
三つの完全運動
球を最小半径から最大半径まで往復させる方法は一つではない。
例えば、次の三つの方法が考えられる。
・半径を正弦波で循環させる
・表面積を正弦波で循環させる
・体積を正弦波で循環させる
どれも最終的には、同じ最小球と最大球を往復する。
違うのは、
何を一定のリズムで循環させているか
という点だけである。
実際に比較してみる
下のアニメーションは、左から順に、
・半径基準
・表面積基準
・体積基準
で球を膨張・収縮させたものである。
同じ最小球と最大球を往復しているにもかかわらず、見た目の印象は大きく異なる。
実際に比較すると、半径基準は最も素直で機械的に見える。
表面積基準はその中間で、滑らかに呼吸しているような印象になる。
そして体積基準は、最もダイナミックで、内部から何かが満ちたり抜けたりしているように見える。
特に体積基準は、心臓の鼓動や生き物の呼吸のような生命感を感じさせる動きになった。
これは予想していなかった結果である。
なぜ印象が変わるのか
三つとも同じ球であり、同じ最小半径と最大半径を往復している。
違うのは、時間に対して一定に変化している量だけである。
半径基準では、半径が一定のリズムで変化する。
$$
r(t) = r_0 + A\sin t
$$
表面積基準では、表面積が一定のリズムで変化する。
$$
S(t) = S_0 + A\sin t
$$
体積基準では、体積が一定のリズムで変化する。
$$
V(t) = V_0 + A\sin t
$$
球そのものは同じでも、何を一定に循環させるかを変えるだけで、運動の印象は大きく変化する。
三次元世界では体積が自然なのかもしれない
私たちは三次元空間に存在している。
三次元の物体にとって、半径は長さであり、表面積は境界であり、体積は存在する空間そのものを表している。
もし世界に「完全運動」が存在するとしたら、三次元世界では体積が一定のリズムで循環する方が自然なのではないだろうか。
この考え方では、半径を直接動かすのではない。
まず体積が変化し、その結果として半径が決まる。
球の体積は次の式で表される。
$$
V = \frac{4}{3}\pi r^3
$$
これを半径について解くと、次のようになる。
$$
r = \sqrt[3]{\frac{3V}{4\pi}}
$$
つまり、体積基準の運動では、
半径を動かすのではなく、体積が動く。
その結果として、球は膨張し、収縮する。
次元との対応
今回比較した三つの基準には、興味深い対応がある。
円周は半径の1乗に比例する。
$$
C \propto r
$$
円の面積は半径の2乗に比例する。
$$
A \propto r^2
$$
球の体積は半径の3乗に比例する。
$$
V \propto r^3
$$
これは、
・一次元
・二次元
・三次元
という空間の階層そのものと対応している。
もし完全運動が、その世界の存在量を循環させる運動だとすれば、二次元世界では面積、三次元世界では体積が自然な基準になる可能性も考えられる。
もちろん、これは現時点では一つの仮説である。
おわりに
今回の比較では、一つの意外な結果が得られた。
数学的には三つとも同じ最小球と最大球を往復しているにもかかわらず、人が受ける印象はまったく異なったのである。
半径基準は最も素直で機械的に見えた。
一方、体積基準は最もダイナミックで、生命的に感じられた。
なぜそう見えるのかは、まだ分からない。
しかし、何を循環させるのが最も自然なのかという問いは、空間や運動そのものを考え直す新しい視点を与えてくれる。
もし世界に完全運動が存在するとしたら、その基本量は半径ではなく、体積なのかもしれない。
この「完全運動」という考え方が、数学や物理を眺める新しい切り口になれば幸いである。


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