波は、足し算されるだけなのに
水面に石を落とすと、円が広がります。
もうひとつ石を落とすと、もうひとつの円が広がります。
それだけのはずなのに、
二つの円が重なった瞬間、そこにはまったく別の模様が現れます。
強くなる場所。
消えてしまう場所。
筋のような線が浮かび、格子のような形が立ち上がる。
波は、ただ「重なっている」だけなのに、
私たちには「かたち」が見えてしまう。
今回は、その 「重なりが生む見え方」 を、
自分の手で操作できる小さなシミュレーションを作りました。
波の重なりを、操作してみる
下にあるのは、点から波が広がり、
それらが重なり合って「場」をつくる世界です。
点の数を 1 / 2 / 4 / 8 と切り替えたり、
距離、波長、位相、強さを変えることで、
同じ「波」から、まったく異なる景色が現れます。
これは「きれいなデモ」ではありません。
触ることで、波というものの性質が、そのまま見えてしまう装置です。
同じ波なのに、違う世界
点がひとつなら、世界は単純です。
すべては、そこから広がっていくだけ。
点がふたつになると、線が生まれます。
四つになると、面の模様が現れます。
八つになると、もはや「波」と呼ぶより、
ひとつの構造体のように見えてくる。
波そのものは、何も変わっていません。
ただ、重ね方が変わっただけです。
それなのに、
「見えてくる世界」は、まるで別物になる。
ここで起きているのは、
波の足し算が、形を生む という現象です。
世界は、波の重ね合わせでできている
この現象は、特別なものではありません。
音も、光も、水面も、
すべては波です。
私たちが「かたち」と呼んでいるものは、
実は、
・強め合う場所
・打ち消し合う場所
・その境界として現れる模様
そうした 波の重なりの結果 にすぎないのかもしれません。
このシミュレーションは、
その事実を、数式ではなく「感覚」として差し出します。
見えるようになっただけ
自然界で、波はずっとこう振る舞ってきました。
ただ、私たちがそれを「見られなかった」だけです。
重なりは起きていた。
干渉は存在していた。
けれど、それを一望できる視点がなかった。
この小さな世界の中で起きていることは、
本当は、いつも現実で起きていることです。
「実際は、こうなっていたんだな」
そう思えた瞬間、
波はただの現象ではなく、
世界の作り方そのもの に見えてきます。
おわりに
このシミュレーションに、正しい見方はありません。
ただ、点を増やし、距離を変え、
波長や位相を少しずつ動かしてみてください。
同じ波なのに、
世界がまるで別のものに見えはじめる。
それは、
「理解した」というより、
「見えてしまった」という感覚に近いはずです。


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