はじめに
「虚数」と聞くと、存在しない数のように思えるかもしれません。
しかし、現代数学や物理学では、虚数は波や電気、量子力学などを記述するための重要な道具として使われています。
その虚数を実数と組み合わせて表した世界が複素平面です。
複素平面では、数は一直線ではなく二次元の平面に配置されます。
そして、この平面では「回転」という概念を自然に表現できるようになります。
複素平面とは
複素数は
という形で表されます。
- a は実数部分(実部)
- b は虚数部分(虚部)
です。
複素平面では、
- 横軸が実数軸(Re)
- 縦軸が虚数軸(Im)
になります。

(図1:複素平面)
すると複素数は
「数」
ではなく
「平面上の一点」
として表現できます。
数が回転する世界
複素平面の面白いところは、
数を回転として表現できることです。
その代表的な式がオイラーの公式です。
この式では、
θが変化すると点は複素平面上を円運動します。

(図2:単位円と回転)
例えば
- θ=0 では 1
- θ=π/2 では i
- θ=π では -1
- θ=3π/2 では -i
となり、
さらに回転すると再び1へ戻ります。
つまり複素平面では、
数を「位置」だけでなく「回転」としても扱えるのです。
複素数で方程式を見る
複素平面の考え方は、
方程式の解にも現れます。
例えば
という式を考えてみます。
実数だけでは
を満たす値はありません。
しかし、
複素数まで広げると
という解が現れます。
複素数グラフで見る虚数解
次の図は、
としたときの
を3次元で描いたものです。
(図3:y=x^2+1の複素数グラフ)
赤い点が
に対応しています。
実数だけでは存在しなかった解が、
複素数まで含めると空間上の点として現れることが分かります。
虚数解は「存在しない」のではなく、
複素数という拡張された世界の中で位置を持っているのです。
おわりに
実数は、数を一直線上に並べる世界です。
複素数は、そこへ虚数軸を加え、
数を平面上で扱えるようにしました。
その結果、
数は位置だけでなく、
回転や周期運動まで一つの式で表現できるようになります。
さらに、
実数では解が存在しない方程式も、
複素数まで広げることで自然な形で理解できます。
複素平面は、「見えない数」を作った世界ではありません。
数の世界を回転まで扱えるように拡張した世界なのです。


コメント