2次元では意識しなかった「境界」
これまでに2次元の波動シミュレーションは作ったことがある。
平面上を広がる波と、その重なりによって生まれる干渉縞を見るための、シンプルなものだった。
そのとき、「境界」を強く意識することはなかった。
波は画面の外へと広がり、どこかへ消えていく。
それを不自然だと感じることもなく、むしろ当然のように受け取っていた。
2次元では、世界の外側が暗黙のうちに存在している。
波はどこかに逃げていき、戻ってくることはない。
境界は、最初から省略されていた。
3次元にした瞬間、境界が必要になった
同じ発想を3次元に持ち込んだとき、感覚は大きく変わった。
点から球状に広がる波を描いてみると、
「このまま外に出ていってしまっていいのか?」という違和感が生まれた。
3次元では、波が逃げる先を自然に想像できない。
どこまでも広がる空間よりも、
「この中で起きている」という閉じた感じの方が、強くリアルに感じられた。
そこで、球状の境界を設け、
波が外に出ず、境界で反射するように設定した。
境界を入れたことで見え始めたもの
境界を入れた瞬間、3次元空間の印象は一変した。
波は外に消えず、時間差をもって必ず戻ってくる。
その結果、空間の中では常に複数の波が重なり合うことになる。
外向きの波と、境界で反射して戻ってきた波。
それらが干渉し合い、密度の高い部分と疎な部分がはっきりと現れる。
ここで初めて、「3次元の波の見どころ」が立ち上がった。
境界での反射波と干渉
このシミュレーションで特に印象的だったのは、
境界そのものではなく、
境界で反射した波どうしが空間内で干渉する様子だった。
反射によって波は何度も空間を往復し、
時間が経つほど、干渉は複雑さを増していく。
線が密集する場所と、ほとんど何も起きていない場所。
その分布が、固定された模様ではなく、
常に揺れ動きながら変化し続ける。
境界は、波を閉じ込めるだけでなく、
干渉を「育てる」役割を持っているように見えた。
3D波動シミュレーション
以下は、今回作成した3D波動シミュレーション。
発生源の数や配置、周波数、速度を変えながら、
境界で反射する波とその干渉の様子を見ることができる。
おわりに
2次元では、省略していた境界。
3次元では、それを省略することができなかった。
境界を入れたことで、
波は単なる拡散現象ではなくなり、
空間全体の中で相互に影響し合う存在になった。
3次元の境界は、
「リアルな世界がどう振る舞っているか」を、
とても率直な形で映し出しているように思える。


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