AIの汎用言語モデルを使ってみた|会話モデルが大きすぎて、文章補完器に辿り着いた話

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AIの汎用言語モデルを使ってみた ──会話モデルが大きすぎたので

最初にやりたかったのは、とても素朴なことでした。

「ChatGPTのような“会話モデル”を、自分の手元で動かしてみたい」

ネットの向こうにある完成品ではなく、
自分のPCの中で、
自分が起動し、停止できる“会話AI”を、一度触ってみたかった。

ところが、実際に調べてみると、会話モデルは想像以上に大きい。
数GB、十数GBというサイズは当たり前で、
「ちょっと試す」という気軽さからは、かなり遠い存在でした。

そこで方針を変えました。

会話モデルが無理なら、もっと手前にあるものを使おう。
つまり、汎用言語モデルそのものを触ってみよう。

そうして生まれたのが、この試作です。

簡易汎用言語モデル(文章補完器)

会話AIを作ろうとして、
途中でサイズの壁にぶつかり、
結果として「言語モデルの素顔」に近いものを触ることになった。

その結果、最初に感じたのは、かなり率直な感想でした。

「これは、ほとんど会話にならない」

会話相手ではありません。
質問に答えてくれる存在でもありません。
ただ、入力された文章の「続きを、それっぽく出してくる装置」です。


実際に触ってみる

下に、今回つくった「簡易汎用言語モデル(文章補完器)」を埋め込んでいます。
ネットの向こうにある巨大なAIではなく、あなたのブラウザの中で動く小さな言語装置です。

何か短い文章を入れてみてください。
質問でも、独り言でも、途中で止まった文でも構いません。

おそらく、すぐにこう感じるはずです。

「会話にならない」

ChatGPTのように意図を汲んで説明してくれるわけでもなく、
話の流れを保とうとする気配も薄い。
返ってくるのは、ただ「その文章の続きを、統計的にそれっぽくつないだ文」です。

ときには意味が曖昧で、ときには文脈がずれ、
ときには「それで何が言いたいのか分からない」返答になります。

正直に言えば、便利でも賢くもありません。

それでも、この装置は、
確かに“言葉を前に進める”ことだけはしている。


「会話モデル」を目指して、たどり着いた場所

もともと欲しかったのは「会話モデル」でした。
こちらの意図を読み取り、文脈を保ち、
自然なやり取りが続く存在。

しかし、会話モデルは大きすぎた。
サイズも、計算量も、
「気軽に触る」という距離にはありませんでした。

その結果、私は一段階手前に戻ることになりました。

会話を成立させる“層”をすべて剥がした、 言語モデルそのもの。

そこにあったのは、

  • 意図を理解する存在ではなく
  • 意味を考える存在でもなく
  • ただ、言葉を続ける装置

という、かなり素朴な姿でした。

ChatGPTが「会話AI」として成立しているのは、
言語モデルの上に、膨大な調整と設計が積み重なっているからです。

その層をすべて外すと、
残るのは「文章補完器」に近い何かになる。

今回の試作は、まさにその位置にあります。


遅さが教えてくれる「装置としてのAI」

このアプリは、決して速くありません。
入力してから返答が出るまで、数秒かかります。

その間、画面には「処理中…」という沈黙が流れます。

この待ち時間は、不思議な感覚を生みます。

「これは考えているのではなく、処理しているのだ」

という事実が、身体感覚として伝わってくる。

クラウドの向こうにある完成品のAIでは、
こうした工程は見えません。
結果だけが、魔法のように返ってきます。

ローカルで動く未完成な装置は違います。
遅さも、不格好さも、そのまま表に出る。

だからこそ、AIが「人格」ではなく、
ひとつの装置であるという感覚が戻ってきます。


まとめ:会話モデルを目指して、別の場所に来た

「AIの汎用言語モデルを使ってみた」という体験は、
本当は「会話モデルを使ってみたかった」ことから始まりました。

しかし、サイズの壁にぶつかり、
結果として、もっと手前にある存在──
言語モデルそのものを触ることになった。

そこにあったのは、

  • 会話にならない
  • 質問に正しく答えない
  • ときに意味が通らない

そんな、かなり素朴で、不器用な装置でした。

それでも、この装置は、
確かに「言葉を続ける」ことだけはしてくれます。

会話AIを作ろうとして、
気づけば「文章補完器」を眺めている。

けれど、その遠回りのおかげで、
私は「言語モデルとは何か」を、
完成品ではなく、途中の姿として見ることができました。

この「簡易汎用言語モデル(文章補完器)」は、
しばらくのあいだ、机の隅に置かれたまま、
ときどき文章の続きを差し出してくれる存在になると思います。

それは、会話AIではありません。
ただ、会話モデルを目指している途中で、
たまたま立ち寄った場所にあった、小さな装置です。

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