3Dサイコロアプリをつくってみた――実際とほとんど変わらない動き
「3Dでサイコロを振る」と聞くと、多くの人は「立方体が回転して止まる」くらいのイメージを持つかもしれません。 けれど今回つくったのは、もう少し“現実側”に寄ったものです。
上から落とす。床に当たって跳ねる。転がる。ぶつかる。減速して、やがて止まる。 見ている側が「いま本当にサイコロを振った」と納得できる動きが、ブラウザ上にそのまま現れます。
🎲 実際に動かしてみる(埋め込み)
下の画面で、サイコロを「落とす」「投げる」を試せます。種類(d6/d8/d20)と個数も切り替えできます。
サイコロの正体は「形」ではなく「物理」
サイコロをサイコロたらしめているのは、形そのものではなく、重力・反発・摩擦・回転といった物理の関係です。 現実のサイコロは、落下して衝突し、跳ね返り、摩擦で減速し、角運動量がほどけていくことで止まります。
今回のアプリが「実物っぽい」と感じる理由は、まさにそこを省略していないからです。 乱数で出目だけ決めて“それっぽく止める”のではなく、まず運動があり、その結果として出目が決まります。
数字が見える、という当たり前の難しさ
3Dサイコロで意外に難しいのが「数字を自然に読めること」です。 六面体(d6)は各面が正方形で、数字を貼りやすい。 ところが八面体(d8)や二十面体(d20)になると、面は三角形になり、角度も急になります。
単にテクスチャを貼るだけでは、数字が面からはみ出したり、位置がずれたり、傾いて読めなくなったりします。 この“わずかな違和感”が、実はリアリティを大きく下げます。
今回の実装では、面ごとにテクスチャの貼り方を整え、「面の中央に数字が収まる」状態へ調整しました。 一見地味ですが、こういう部分が最後に効いてきます。
出目はどうやって決まっているのか
このアプリでは、乱数で出目を直接決めていません。 サイコロが止まったあとに、「どの面が上を向いているか」を判定して出目を出しています。
言い換えると、出目は最初から決まっているのではなく、落下と衝突と回転の履歴が収束した“結果”として現れます。 この構造があると、見ている側は自然に納得します。
そして、d8/d20 では「向かい合う面の和が N+1」になるよう、面同士の対応関係も整えています。 サイコロは「止まれば何でも同じ」ではなく、配置まで含めて文化的な道具だからです。
3Dは「派手さ」ではなく「納得感」で勝負できる
3D表現というと、どうしても派手な演出やリアルな質感に意識が向きます。 けれど今回あらためて感じたのは、人が「本物だ」と思うのは、派手さではなく納得感だということです。
- 落ち方が自然か
- 跳ね返りが不自然に見えないか
- 止まり方が“それっぽい”か
- 結果が運動の延長として決まっているか
この条件が揃うと、シンプルな3Dでも驚くほど現実味が出ます。 そしてその驚きは、「3Dの未来はもっと広がる」という感覚につながります。
まとめ:小さなサイコロが示す、大きな可能性
最初は「サイコロっぽいものが出れば十分」くらいに思っていました。 ところが実際に動かしてみると、そこには“現実とほとんど変わらない”動きがありました。
現実の仕組みを丁寧に分解し、必要なものだけを組み直す。 それだけで、ブラウザの中に「ちゃんとした現象」が立ち上がります。
サイコロひとつでこれだけできるなら、他の「当たり前」も、3Dで確かめられるはずです。 この感覚を持ったまま、次の題材へ進んでいきたいと思います。


コメント